肛門腺絞りと肛門嚢炎の関係を研究した論文が、学術誌に掲載されました。

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論文が日本獣医皮膚科学会誌に掲載されました

大切なご報告があります。私が獣医師の神田聡子先生と共同で執筆した論文が、日本獣医皮膚科学会誌に掲載されました。

テーマは、肛門腺絞りと肛門嚢炎の関係です。

論文はJ-STAGEにて公開されています。ぜひ読んでいただけると嬉しいです。 (J-STAGE 日本獣医皮膚科学会誌:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjvd/32/2/32_23-010/_article/-char/ja


査読つきの学術誌とは

今回掲載されたのは、査読つきの学術誌です。査読とは何かを、簡単にご説明します。

査読とは、投稿された論文をレフェリーと呼ばれる第三者の専門家が読み、学術雑誌への掲載にふさわしいかどうか判断する作業のことです。つまり、同じ分野の専門家による厳しい審査を通過した論文だけが掲載されます。査読プロセスを通じて、誤った情報や不正確なデータが世に出るリスクを減らし、信頼性を高めています。

そのような格式高い学術誌に掲載が認められたことは、非常に名誉なことです。また、この論文が正式なエビデンスとして扱われることが、とても嬉しいです。


なぜこの研究をしようと思ったのか

グルーミングの分野では、まだまだ感覚や経験に頼ったやり方が多く、「なぜそのケアが必要なのか」「犬にとって本当に良いことなのか」という科学的エビデンスが確立されていないことがたくさんあります。

その中でも、私が昔から疑問に思っていたのが肛門腺絞りというケアです。

「肛門腺を絞らないと病気になる」という情報が、グルーミングの本にもインターネットにも出回っています。また、「肛門嚢炎になったのは絞っていないからだ」と言われることもあります。しかし私は、その情報が本当に正しいのかどうか、ずっと疑問に思っていました。

そこで独自に調べ始め、その後、獣医師の神田聡子先生がご協力くださり、論文にすることができました。


論文で明らかになったこと

今回の研究で最も伝えたかったのは、肛門腺絞りと肛門嚢炎の因果関係についてです。

研究の結果、肛門腺絞りと肛門嚢炎との間に因果関係を証明することはできませんでした。つまり、「絞っていても肛門嚢炎にはなる」ということが示されました。また、「絞ることが予防として機能しているかどうか」についても、根拠が確認できませんでした。

これまでの本やインターネットの情報には誤りがあった可能性があります。肛門腺絞りをしないと病気になるという関連は認められなかったというのが、今回の論文の結論です。


飼い主さまへ

もしかしたら、こんな不安を持っていた飼い主さまもいらっしゃるのではないでしょうか。「肛門腺を絞らないと、うちの子が病気になってしまうのでは?」と。

その不安は、もう解消していただいて大丈夫です。絞っていても肛門嚢炎になることはあります。そのため、嫌がっているわんちゃんに対して無理に行う必要はありません。肛門腺絞りが病気の予防になるとは言えないからです。


次回は、肛門腺についてもっと詳しく解説します

「そもそも肛門腺とは何か」「どんな場合に絞るべきか」など、さまざまな疑問があると思います。次回は肛門腺について、もう少し詳しく解説します。どうぞお楽しみに。


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