グルーミングと動物福祉について、改めて考えています。

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中国4都市で講演をしてきました

4月に、中国で講演をさせていただく機会をいただきました。

成都、ウルムチ、ハルビン、北京の4都市を訪れました。これは、中国のペット用品展示会を主催する「アジアペットフェア」が企画した、中国全10都市を巡る講演スケジュールの一部です。今回はそのうち最初の4都市を担当させていただきました。

各会場では、ペットフードやサプリメントのメーカーがブースを出し、来場者への情報提供とセミナーが同時に行われました。各会場に100名以上、多いところでは200名以上のグルーマーさんやサロン経営者の方々が集まってくださいました。みなさん、とても熱心に話を聞いてくださいました。


日本のサービストレンドをお伝えしました

私がお話しした内容は「日本のサービストレンド」というテーマです。

前半では、現在の日本における犬の飼育状況やトリミングサロンの課題、また法改正についてお伝えしました。後半では、わんちゃんの扱い方についてお話しさせていただきました。グルーミングにおいて丁寧にわんちゃんと向き合うことの大切さや、その具体的な方法についてです。

中国でも動物福祉の概念が少しずつ浸透してきています。グルーマーとしてどのように改善できるかを真剣に考えてくださる方が多く、私の話に共感してくださり、高い評価をいただくことができました。

また、中国の方々の勉強への熱心さには、私自身も学ぶものが多くありました。まだまだ私も、中国をはじめ他の国から多くを学ぶ必要があると感じています。


改めて、動物福祉について考えています

今回の講演をきっかけに、動物福祉について改めて考え直す機会をいただきました。

これまでも何度となく本を読んだり、議論を重ねたりしてきました。しかしそれでも、今のところ納得できる答えはまだ出ていません。

そもそも、動物福祉とは何なのでしょうか。

動物福祉を語ることは、人間が動物を利用することを前提として語られています。もともとは家畜の扱いを発端に生まれた概念です。では、ペットと私たちの関係の中での動物福祉とは、一体何なのでしょうか。


グルーミングと動物福祉

グルーミングは、誰にとって良いことなのか。わんちゃんにとって良いことと、人間の都合によることの、両方があると思います。しかし現実として、多くは人間にとって都合の良いことが大きいと思っています。良い悪いではなく、事実としてそうだと感じています。

だからこそ、常に問い続けることが大切だと思っています。わんちゃんはグルーミングのどんな場面で苦痛を感じるのか。そしてその苦痛を、私たちグルーマーはどうすれば取り除くことができるのか、あるいは軽減できるのか。

また、人間は心理学的に、ラベリングをして見たいものしか見ないという傾向があります。人間の偏った視点で見ることで、わんちゃんの本当の気持ちを誤解してしまっているのではないかと感じることもよくあります。


答えはまだ出ていない。だから考え続ける

本当にわんちゃんにとって良いグルーミングとは何なのか。同時に、飼い主さまにとって良いグルーミングとは何なのか。商売として行っている以上、飼い主さまに喜んでいただけることも必要です。そのバランスをどうとるのか。グルーミングと動物福祉の関係は、簡単には答えの出ない問いです。

答えがないからこそ、常に考え続ける機会が必要だと思っています。そして、その考えるプロセスこそが重要だと感じています。

この問いを、多くの方と共有し、議論できればと思っています。きっといつか、わんちゃんにとっても飼い主さまにとっても、本当に良いグルーミングができる日が来ることを願っています。


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